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のだレディースクリニックの3方針
1)地域に根ざした婦人科・ペインクリニック医療の提供
  婦人科: 子宮癌検診
更年期障害
卵巣癌検診
子宮内膜症治療
不妊相談・治療
婦人科小手術

2)主に全道を対象とした総合的リンパ浮腫治療の提供

3)患者さまに納得できる医療を提供できるようカルテ開示

 


以前より更年期障害、閉経後の骨粗しょう症や高脂血症の治療、予防のためにホルモン補充療法(HRT)が行われていました。 とくに欧米では閉経後多くの女性が行っていましたが、最近、米国国立衛生研究所よりWomen`s Health Initiation (WHI)の後方視的調査報告書が出て、 欧米の閉経女性のHRTの安全性について疑問視されるようになりました。またこれにより、日本国内のマスコミも同調するような報道がなされ、 欧米に比べホルモン補充療法後進国である本邦の患者さんが、ますます本療法から遠ざかってしまった感があります。

Women`s Health Initiation (WHI)のデータについて
米国国立衛生研究所のサポートのもとに、50歳から79歳の健康な閉経女性16600人を対象として、長期間にわたり各疾患の発症とホルモン補充療法の 関連性について、後方視的調査を行ったところ、合併症があまりに多すぎるため途中中止になったものです。そのデータとは以下のものです。
ホルモン補充療法群は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの併用しているものです。一般的に本邦のほとんどの病院で行っているのと同じ方法です。 これに対し、偽薬郡(プラセボ)で各疾患の発症比を比較検討しています。
偽薬群の発症率を1とした場合、ホルモン補充療法を行うと、大腸癌が0.65、子宮内膜癌が0.83と低下するが、反対に心臓疾患が1.29、脳卒中が1.41、 肺塞栓症が2.13、乳癌が1.26と増加が見られたとの結果でした。以上の結果より米国国立衛生研究所は、有益性より危険性のほうが高いため、 更年期障害の短期間の投与は大きな危険はないが、病気の予防のため長期間に服用することはやめた方が良いとの見解を出しました。実際に、 この報道以降多くの欧米のご婦人は、ホルモン補充療法を断念したと聞いております。

Women`s Health Initiation (WHI)のデータの問題点
ではこのデーターをそのまま我々日本人に当てはめてよいか?たとえば人種的な違い(私が研修医時代にとある外科の先生がアメリカ人の手術中に、 白人は日本人より血が止まりやすいんだ。ほら見ててみろといっている矢先から止血されていた事を思い出します。)や 食生活により血栓や出来やすかったりすると言われています。また日本では肥満度、BMI25以上を肥満と診断し、全女性の12.8%しかいません (50歳以上の統計ではもっと多くなっているでしょう)が、今回の米国の調査では約70%がBMI25以上でした。
肥満は、乳癌、心臓疾患、脳卒中、高血圧の明らかな危険因子であり、この点でも米国国立衛生研究所のデーターをすべてを鵜呑みにして、 ホルモン補充療法を全面的に否定するのは如何なものかと考えているのは私だけではないと思います。

ホルモン補充療法の利点
@更年期障害:のぼせ、ほてり、発汗、イライラ、抑うつ、肩こりなどなどこれには極めてよく効きます。
A骨粗しょう症:自覚症状が少ないので、日ごろから注意していなければなりません。診断には、骨量の測定が一般的です。 知らないうちに骨折や骨の変形をきたしますのでその前に、ホルモン補充療法を含めた治療をお勧めします。
B動脈硬化、高脂血症:閉経前まで脂質代謝は、女性ホルモンにより守られていますが、閉経後急激に上昇することがあります。 高脂血症(総コレステロール220mg/dl以上、中性脂肪150mg/dl以上)が続くと、心疾患、脳卒中を増加させ命に関わる状態になりえます。 ホルモン補充療法は、総コレステロール、悪玉コレステロールを減らし、逆に善玉コレステロールを増やします。 このため閉経後の高脂血症では、スタチン系脂質低下剤の補助剤と併用することが多いです。
Cアルツハイマー病、痴呆:ホルモン補充療法により発症を遅らせたり、予防すると言われています。

ホルモン補充療法の欠点
@乳癌:欧米でのデーターが中心で日本では明らかなデーターはありませんが、前記したWHIのデーターからも発生率が、 1.26と高いことより定期検診が重要と考えます。
A血栓症:黄体ホルモンのの影響で血栓が出来やすくなると言われています。定期的な血液検査が必要となります。
B出血:せっかく止まったのにまた出血しだしました。と言われる患者さんが、約半数おります。これはホルモン補充療法の中止原因の1番です。 多くは3ヶ月〜6ヶ月継続することにより収まってくることがおおいです。場合によっては、卵胞ホルモン剤の種類を変えることにより改善することもあります。
C乳房緊満
D肝機能障害:定期的に血液検査を行っていきます。

まとめ
私的には、現在欧米でのデーターをすべて鵜呑みにしないで、個人個人の状態にあったホルモン補充方法を考える転換期にあると考えます。 海外では、もうすでに合併症の少ないホルモン剤の開発が進んでおり、今回の米国のデーターも薬品会社の戦略も有るのではと考えさせられます。
大事なのは、発症しうる合併症を十分認識した上で、治療を進めるよう担当医と相談するのが良と思います。薔薇色の更年期を送れるよう、応援する一医師の考えでした。

 

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